刀鍛冶の里編で活躍する霞柱・時透無一郎。
無一郎には、双子の兄・有一郎がいました。
今回は、有一郎の死因とその生い立ち、有一郎の言葉に隠された本心についてご紹介します。
アニメ派の方はネタバレを含みますのでご注意ください。
無一郎の兄の死因
兄の有一郎と弟の無一郎は、両親の死後、二人で暮らしていました。
有一郎は言葉のきつい人で、亡くなった両親のことすら馬鹿にするような言葉を吐いていました。
無一郎はそんな有一郎を冷たい人間と考え、自分が有一郎に嫌われていると思っていました。
ある暑い夏の夜、戸を開けたまま寝ていると、家の中に鬼が入ってきました。
鬼は有一郎に襲い掛かり、有一郎は左ひじから下を欠損するほどの大けがを負います。
それを見た無一郎は、その後のことを思い出せないほどの激しい怒りに襲われました。
気がつくと鬼は死にかけており、無一郎の手には斧と木槌が握られています。
無一郎は、怒りに任せて鬼を瀕死の状態にまで追い詰めたのです。
その場から逃げることもできない鬼は、日が昇ると塵となって消えていきました。
無一郎が重い体を引きずり何とか家まで戻ると、有一郎はまだ生きていました。
有一郎は自身が瀕死の重傷を負っているにも関わらず、無一郎の無事を祈る言葉ばかり呟いています。
「弟だけは助けてください」
「バチを当てるなら自分だけにしてください」
それを聞いた無一郎は涙を流しながら、有一郎の右手に自分の左手を重ねます。
有一郎が事切れた後も、無一郎はその手を離すことはありませんでした。
有一郎と無一郎の生い立ち
有一郎と無一郎は、東京府南多摩郡(現在の八王子市)景信山に生まれました。
両親と4人暮らしで、父は杣人(木こり)であり、無一郎は自身も父の手伝いをしていたと過去を振り返っています。
母親は風邪をこじらせて肺炎になり病死、父親は母親の病気を治そうと嵐の日に薬草を採りに行き、崖から落ちてしまい亡くなりました。
時透パパが杉山さんだったせいで衛宮士郎のバッドエンド感が出てきたな。 pic.twitter.com/yUoM939ZM8
— 白執事 (@Q94RkJLNWgzko7v) May 21, 2023
ある日、二人での生活を余儀なくされた有一郎と無一郎の元を、お館様・産屋敷耀哉の妻である産屋敷あまねが訪れます。
あまねは、有一郎と無一郎が始まりの呼吸を使う剣士の子孫だと告げ、二人に剣士になるよう誘います。
しかし、その時は有一郎があまねに暴言を吐き、追い返してしまうのでした。
無一郎は有一郎に、剣士になって鬼に苦しめられている人を助けようと話しかけますが、有一郎は無一郎に冷たい言葉を投げつけます。
「人を助けることができるのは選ばれた人間だけ」
「先祖が剣士だからって自分たちに何ができる」
「俺たちには犬死にと無駄死にしかできない」
それをきっかけに、有一郎と無一郎は口を聞かなくなってしまいました。
しかし、その後鬼が現れ、襲われた有一郎は亡くなってしまいます。
時透有一郎の言葉に隠された本心
前出のように、有一郎は無一郎に言葉のきつい人と思われていました。
肺炎で亡くなった母親を「具合が悪いのに無理して体を壊した」といい、母親の病気を治そうと薬草を採りに行って亡くなった父親を「馬鹿の極み」と罵ります。
「無一郎の”無能”の”無”。”無意味”の”無”」
自らの家族の存在を否定するような言葉を無一郎にぶつけ続けます。
無一郎はその度に涙ぐみ、有一郎の言葉に納得できないながらも言い返せずにいました。
しかし、有一郎の言葉には隠された本心があったのです。
無一郎の死後、無一郎は亡くなった有一郎と再会しました。
そこで有一郎は、無一郎に「逃げれば良かった。お前が死ぬことはなかった」と涙ながらに声を掛けます。
無一郎は、有一郎に自分の行動が理解されなかったと感じ涙を流しますが、有一郎は「無一郎に死なないで欲しかった」と無一郎を抱きしめました。
人のためになりたいという気持ちは、自己犠牲と表裏一体です。
両親を敢えてきつい言葉で責めたのも、危険を顧みず、人のために自分ができることをすることが死に直面するということを無一郎に伝えるため。
鬼殺隊に入りたいという無一郎にそんなことできるはずがないと否定したのも、自ら危険な目に合おうとする無一郎を止めるためでした。
感情に任せて言葉を発してしまう有一郎が、無一郎の無事を願って精一杯発した言葉なのです。
最近の漫画やアニメの海外進出で
「これ、どう訳されるんだろ?」って気になりがちその筆頭が「無一郎の無は無限の無」
そろそろアニメでこの場面っぽいので
海外の反応動画楽しみにしてる pic.twitter.com/rlKXhCBtPw— N氏のゆる読書家日記 (@n4s103d) May 22, 2023
有一郎の登場シーンは?
有一郎と無一郎の過去は、原作14巻118話「無一郎の無」、119話「よみがえる」に描かれています。
また、有一郎と無一郎が死後の世界で再会するのは、21巻「兄を想い弟を想い」です。
刀鍛冶の里編のアニメでは7話までに有一郎は登場していないので、今後どのように展開されるのか楽しみですね。